パパ猫

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沖のほう海風波を産みおいて浜に吹き去り波は母を追う

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パパ猫

潮風に吹かれて海をただ見てるほんとは何を見てるのだろう

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パパ猫

夜明けまでこの海にいたシラスたち目玉もちゃんと二つあり

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パパ猫

春雲の下には青き富士の山海渡り来て足に白波

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パパ猫

道端の名も知らぬ花のひたむきさ自分をよく見せようともせず

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パパ猫

体から外へ出すものぜんぶ毒 心を浄化す涙もしかり

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パパ猫

心をば水濾過装置に流したいフィルター真っ黒ドロドロだろな

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パパ猫

病める子と片肺飛行の海原をどこまで飛べる休む島もなく

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パパ猫

暮れなずむ駅のホームに遠ざかる電車を見送る背中がひとつ

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パパ猫

雨落ちる池の波紋の真円を鯉の背中は無邪気に崩し

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