吉村おもち

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海開きには対義語がないらしい 塩ラーメンを卵でとじる

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吉村おもち

ハチ公の前で約束した君をハチ公よりも先に見つける

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吉村おもち

嫌なことを嫌と言えずにいるうちに見頃が過ぎて行く百日紅

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吉村おもち

駅前に鳥の大群が現れて防犯ベルのような夕暮れ

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吉村おもち

ノートから付箋が落ちていくようにあの日のこともいつか忘れる

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吉村おもち

あの人は島に帰って南から吹く風すべて歌に聞こえる

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吉村おもち

後輩に押し付けられた残業で最上級の夜景を作る

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吉村おもち

予報士が海の色したモニターに伸びやかに描く梅雨前線

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吉村おもち

さっきまで本名だった四文字を旧姓にする初夏の市役所

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吉村おもち

わたくしの社会の窓を開けるには美しすぎるルミネのトイレ

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