平見翠玉

平見翠玉

大阪の空襲を生きて父帰る我に命繋ぐため

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平見翠玉

子供の受験親はヤキモキけれども受験するのは子供なのだ

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平見翠玉

靄の中透明な優しさに包まれて一日が始まり出す

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平見翠玉

紙飛行機を飛ばしては汚れた悲しみにさようならを言う

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平見翠玉

人の命は儚く悲しく花の如く咲いては散る

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平見翠玉

身体は病に犯されていても心は変わらず人でありたし

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平見翠玉

スケジュール帳開く着物着られる日が来るとイイねと母の言う

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平見翠玉

介護せし君の姿今は無く思い思い出だけを残し旅立つ

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平見翠玉

山の中チェンソーの音響き父のチェンソーの音聞くことなし

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平見翠玉

見送る人の余韻残し列車行く明日からはいつもの暮らし

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