甘森太一

甘森太一

満月のような光に飛び込んだ級友だけを思い出す夜

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甘森太一

ブレーキのほとんど効かない自転車で下るみたいな恋だってする

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甘森太一

初デートに富士急ハイランドのきっと心尽くしとしての絶叫

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甘森太一

ねえセクシャルバイオレットNo.1 あなたの夢にいっちょ噛ませて

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甘森太一

階段の子らの足音軽くなる五線譜跳ねる音符のように

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甘森太一

「きりつ、れい、ちゃくせき、おはよーございます」とりどり光を湛える蕾

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甘森太一

〈おしとやかマシーン〉か私 会議中なにも言わずに微笑んでいて

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甘森太一

山盛りのポテトは萎びて薄暗い実家の風呂場になめくじ二匹

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甘森太一

短歌では嘘もつくけど短歌には嘘をつかない 愛されもしたい

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甘森太一

大みそか荷台にソリとトナカイを載せて北へと向かうトラック

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