想いただ眼差しに溢れ伝わって言葉のいらぬ時が流れる

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夏空は不意打ちのようにやってきてコンクリートの鉄板を焼く

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無理だったもう戻れないテーブルのコップの氷小さく溶けて

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ぽつぽつと降り出す雨は慰める笑ってばかりの乾いた心

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じっとりと肌を湿らすこの空気抱き合えたのなら気にしないのに

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棘刺さる茄子の蔕には気をつけて薔薇と変わらぬ傷を負うから

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触れたなら桃の実のよう君の肌傷つく前にそっと戻して

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いつのまに壁より高く向日葵は青空吸い込みまだ伸びてゆく

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味噌汁になる予定とかあったはず小ぶりの茄子紺朝日照らして

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持ってけとおはようの代わりに渡された手のひらの中で転がるトマト

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