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あさ
あさ
移り行く陽の位置につれ思わざる形に立てる山にときめく
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あさ
あさ
机上のものみな真っ直ぐに整えて無為かもしれぬ稿起こしゆく
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あさ
あさ
無菌なる孤りの部屋に萌え出でて育つ木草の一本もあれ
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あさ
あさ
ひんがしの山懐の集落が西日さす間をしばし光れり
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あさ
あさ
籠に啼く小鳥と遊ぶ幼子が (人間には言葉がなぜあるの?)と問う
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あさ
あさ
身の巡り音は断たれて遠見える 緑の尾根をわが歩みおり
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あさ
あさ
ここよりはわれのみの道 西空に静もる山の声ききに来る
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あさ
あさ
混沌のわが青春にほのぼのと古き山靴ひとつ残れり
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あさ
あさ
しんしんと音するごとき青空の青に揺れおり唐黍の穂は
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あさ
あさ
実りよき南瓜割りゆくまな板に闇より出でて種こぼれたり
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