ひーろ

ひーろ

透明なくらげをひとつ入れてからわたしの海は余計さみしい

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ひーろ

抱きとめる、わたしに向かってくる風はきっとさみしい風だろうから

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ひーろ

常夜灯みたいな母の声がしてここは夜だと気づいてしまう

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ひーろ

ひとつまたひとつと本は閉じられて閉館間際のしずかな連鎖

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ひーろ

靴ひもの蝶を生むたび靴ひもの二匹の蛇を死なせてしまう

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ひーろ

ふきだしに心を勝手に書きこまれ笑われているそういう気分

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ひーろ

靴紐は不死鳥に似て何度でも結びなおせる 湧きあがる雲

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ひーろ

「ああ今日はいいひだね」からじんわりと空へ燃えひろがって夕焼け

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ひーろ

どうぞって種をさしだす手のひらがゆたかで発芽しそうな朝顔

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ひーろ

もう二度と会えない君へどの未来もあの日と地続きの日なんだよ

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