ふにふにヤンマー

ふにふにヤンマー

だれもいないプールの第6レーンまで夏雲たちのメドレーつづく

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ふにふにヤンマー

ホッピーを焼酎で割るホッピーを割ったとわからぬところまで割る

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ふにふにヤンマー

盲目にて髪より妻を撫でゆけば妻のかたちのあらはれいでぬ

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ふにふにヤンマー

遺されし痛みは熾火の如くあり絶やさぬやうに手を合はせ生く

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ふにふにヤンマー

血の色を重ね立ちゐる鶏頭の先の彼岸に子規は微笑む

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ふにふにヤンマー

醒めゐれば気近く揺らふ月影の蒼きに猫は眸を見開きぬ

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ふにふにヤンマー

二度会えば十分でしたこんなにも寂しいひとは見つけあうもの

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ふにふにヤンマー

ちょっといい蒲鉾を雑に切ったあと板を毟って二合ほど呑む

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ふにふにヤンマー

寒水にひた柳葉を研ぎゆけば雪げどもなほ鉄の香の立つ

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ふにふにヤンマー

オルゴヲル櫛歯の鳴きてまた鳴きて鳴けどもひとは哀しみの箱

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