ふにふにヤンマー ふにふにヤンマー
ふにふにヤンマー
ふにふにヤンマー ひとを探る目に育ちきぬ ひた待ちて咲けるダリアの緋の疎ましき
ふにふにヤンマー 先立ちし子の丈ほどに縮みゐる老躯もていく月忌の墓に
ふにふにヤンマー 十代の高潔のはや遠きこと 醤油を弾く澄んだいか刺し
ふにふにヤンマー 粗目雪鳴らないでいてあのひとにきっとわたしとわかってしまう
ふにふにヤンマー おくびょうは綿毛になって吹き飛んで「すき」だけ残れダンデライオン
ふにふにヤンマー プリングルスプリングルス口にすれば春になるかもしれない呪文
ふにふにヤンマー 地球など誰が守れと産むものか去り際に母の声は震えて
ふにふにヤンマー 不意の雨頬に受ければたらちねの母はいつから泣かなくなった
ふにふにヤンマー 