ほのふわり ほのふわり
ほのふわり
ほのふわり 幸せに幸せを塗りその上に幸せを乗せたやつをください
ほのふわり やわらかな君の寝息に世界中すべての風が憧れている
ほのふわり それぞれの種火を護り合ふやうに祖父母はけふを暮らしてをりぬ
ほのふわり ハイヒールを履く人のみな今まさに飛び立ちそうなつま先をして
ほのふわり 低気圧をすっぽりかぶってこの街は泣きたい人に少しやさしい
ほのふわり はるかなる遺言だろう 燃えつきるまでは瞬く星のひかりは
ほのふわり たましひの触診だらうベランダで詩集をめくる夏のひととき
ほのふわり 歩くのが遅いあなたを待つときの永遠でない方の永遠
ほのふわり 