パパ猫

パパ猫

この空の透明な青この色を名付けるならば何と言おうか

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パパ猫

この生命勝手に宿り引き受けるそれ以上でもそれ以下でもなし

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パパ猫

食べられるために生まれし動物を育てる人の心想像す

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パパ猫

認めたくないまま生きてこの歳に認めざるを得ず私は弱い

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パパ猫

抜け道の薔薇の花咲くこの小径息を殺してあなたに逢いに

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パパ猫

一夜にて店から消えたカーネーション何処へ行ったか残り香もなく

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パパ猫

目印のなき海原を舟でゆく前に進むを信じて櫓を漕ぐ

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パパ猫

静まりて鳥さえ啼かず相聞の歌なく寂し雨落つる朝

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パパ猫

今日も雨ため息ひとつこぼれ落ちあなたの街は晴れますように

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パパ猫

そぼ降るは糸のようなる細い雨縦糸だけでは悲しみ織れぬ

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