パパ猫

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雨音を聞きつつ昼寝いいものだ夢で涙の降りそぼつかな

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パパ猫

歩き来る夫人は歩を止めうつむいた三秒の理由を知りたくもあり

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パパ猫

雨雲を通りし微かな光にも白く輝くクレマチスの花

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丘陵に同じ形の家ならび等しく雨落つマイホームの屋根

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パパ猫

散りぬ花をほうきで集める人の背で薔薇の花びらひそと舞い落ちる

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パパ猫

万葉の詠み人知らずは愛詠う額田も晶子もそしてあなたも

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パパ猫

幾年を生きても何もつかめぬよ飢えた山犬にらんでる月

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パパ猫

所在なく座るベンチのすぐ前を用事あり気に猫が速足で

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パパ猫

首都高は動脈静脈の如くあり下りは速く上りは遅く

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パパ猫

夜の闇を黄色い火球連なりて美しいのに砲弾である

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