パパ猫

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夕暮れの優しき色の生まれるは空の抱えし緋色の憂い

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パパ猫

カーテンを膨らませては入り来る五月の風に吹かれて昼寝

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パパ猫

多摩川の向こう岸からたんぽぽの綿毛がひとつ通り過ぎてゆく

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パパ猫

多摩川の岸辺で時を過ごすうち息子は幼子私は仙人

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多摩川で肉焼く匂い流れ来て息子と二人塩むすび食う

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山里の鎮守の森の夜祭は光妖しく狐ばかりか

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700グラムで産まれし子よく頑張ったね端午の節句

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お腹でね小さなあの子を助けたかった。息子の胎児の双子の記憶

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パパ猫

太陽を失う代わりに月を得る月の光も太陽の光

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パパ猫

生まれてきてよかったなぁ。愛し子のひとり言に込みあげた涙

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