中原鼠栞

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走り去る風にぶつかる春の闇どいつもこいつもどいつもこいつも

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入賞通知、鏡に私が居る　蹴って駆け出す家へ帰ろう

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雨上がり風が背中を押している薄霧纏う翠色の森

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睫毛に付く水滴、それを息だと笑うそんな春の始まりは

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目が潤む自分で自分を褒めたんだ　これは息だよ泣いてないから

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花曇けれどそんなに寒くない私も負けないあなたのように

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真冬の雲がいちばん速いんだよ ほどけて消えてく君の幽霊

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泣き止めば　どこまで歩こ　あてもなく もう大丈夫　大丈夫だと

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針筵生きる術なく宵空は トタンの陰に潜み待つ明日(あす)

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悪口は単なる僕の勘違い 水も摂らずにどこかもしらずに

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