中村まふゆ 中村まふゆ
中村まふゆ
中村まふゆ 聞いていた話と違う初恋の香りは錆びた手すりの匂い
中村まふゆ あの人が「いただきます」をするたびに私はちょっと神様になる
中村まふゆ まだ春は不在でしょうか受話器からビバルディだけ聞こえる街で
中村まふゆ 踊り場でキミが笑った階段の手すりの温度それは恋です
中村まふゆ クレヨンの匂いが残るキミの手に目隠しされて春を待つ日々
中村まふゆ 空っぽのランドセル背に春を待つ一年生を練習してる
中村まふゆ この部屋に初めて彼を呼んだ日は誰もがみんなよそ行きの顔
中村まふゆ 去年まで届かなかった鉄棒を掴んだ分だけ空が近い
中村まふゆ 