平木リラ

平木リラ

あの日から吾の憂ひを見守りぬるサボテン腐りて吾ひとりの部屋

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平木リラ

僕は君の言葉を啓示とあがめている(まるでパブロフの犬と思えど)

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平木リラ

舌先に甘く灯せる貴腐ワイン 髭の濃くなる深夜にたしなみ

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平木リラ

折りたたまれた翼のかたちを見ゆ 固く組まれた君の両手に

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平木リラ

「さよなら」で時間を止めて君が黙し静けさは満ちる沈船のごと

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平木リラ

朝なさな幼き笑顔をさらす君のため大親友に手をかける

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平木リラ

はずかしいことをいまからうちあける 最期に抱(いだ)くは君であれかし

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平木リラ

目を泳がせていた青空めいた君の笑顔から 濁らせたくて

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平木リラ

深鍋のカレーの湯気がふくよかで形を保てる午後のわたくし

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平木リラ

「またいつか」悲しいリフレインだった川面を橋から見下ろすごと

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