
新井きわ(kiwa)


爽健美茶の括(くび)れが好きです思春期の想いのたけを絞った感じで

失恋後行くのが慣いの海である髪の先までことごとく潮風

生涯に一度もビキニを着たことがない 人魚姫の秘話を聴きたい

昭和の燻(くゆ)る菓子横丁は異界なるひとりひとりと子は吸われゆく

人ひとり殺めてしまう勢いでハーゲンダッツにフォークを立てる

スカートをばるーん、ばるーんと膨らませ駆け寄る私は春の運び屋

樹の芯は水脈(みお) 木蓮にとっくん春の鼓動が高まってゆく

シーツ干し風を孕めば君の香の草原広がりいちめん五月
