
木村槿


ぺらぺらの毛布で寝れちゃうぼくだからあなたはぼくと別れてよかった

本を読みながらおんなじ部屋にいてあなたの焚き火わたしの焚き火

溺れてるふりをしているきみのこと焦るふりして助けに行くね

夕焼けが染みこんだような顔をしてわたしに会いにくるひとがいる

早咲きの菜の花みたく恋は来る曇天ぐうっと押し上げながら

くちびる、とひらがなで書くはなびら、の類語みたいと気づいたら春

ゆるやかなドリフトをして去っていくパトカーきょうもいい日でしたね

ひだまりは大きな犬で窓際にわたしと犬の長い沈黙
