梅鶏

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ゆっくりと列車を待ったキヨスクでボンタンアメと文庫を買って

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梅鶏

星野源みたいな奴が歌うから「恋」はいい歌なんだろ、どうせ

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梅鶏

心にはテトラポッドの代わりなど無くて明日も削られる岸

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梅鶏

子は春の足音になるピアニカでさいたさいたと何度も吹いて

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梅鶏

「ああそれはそうですねえ」と後輩は西瓜の種をほじくりながら

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梅鶏

片栗粉を輪ゴムでとめる明け方に吾も微かな白い息吐く

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梅鶏

帰宅した妻は無言でひたすらにただただ灰汁を取り続けてる

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梅鶏

じゅんばんこ、かわりばんこを覚えだす子がママだけにするはんぶんこ

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梅鶏

鍵盤をららし、ららしとたたく子の人さし指はもう春らしい

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梅鶏

川沿いの刑務所囲む外塀の高さを走る自転車の列

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