梅鶏

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少しくらい舞っていいよと言うように銀杏並木に吹くつむじ風

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梅鶏

フィリックスガムのハズレがほんのりと匂いを残したまま捨てられる

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梅鶏

猫の手じゃなくてもいいかままごとの包丁を手に調理する子は

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梅鶏

教室は静か 露国の来ることもなく読み聞かす「おおきなかぶ」を

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梅鶏

父の手で林檎は兎、わたくしは存在してもいい人になる

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梅鶏

押し入れで見つけた「TK その8」のMDを聴く術がもうない

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梅鶏

職質のたびに目の行く警官の使い込まれているG-SHOCK

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梅鶏

背負っていた秋を平地の隅々に下ろして山は雪のストール

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梅鶏

感情を持たぬ埴輪の眼のように底の見えない池を見ている

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梅鶏

干し柿の一日前は柿ですか干し柿ですか眠れぬ夜に

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