瓜野櫂

瓜野櫂

さびしさを詠める歌につきし銀のラメ かつての読者もふせらる瞼の

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瓜野櫂

ペディキュアのしんと冷えつつ乾くまで書き写す歌集 きさらぎはすぐ

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瓜野櫂

実りいる風重ければ吹きて向き変えるものありまた心中に

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瓜野櫂

蘂とふ字知りぬ 実れる心ひとつの思ひ分かれなば苦しからじも

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瓜野櫂

昼に窓磨きをせりまた夕餉のち同じ力もて歯を磨くなり

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瓜野櫂

半纏の紺各々に母とわれを重くくるめり同じ夜として

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瓜野櫂

うた いつも 積もりて筆を迅らせるもの 私の恋は終わっていない

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瓜野櫂

父風呂に去れば残れる女たち我ら無言で打ち明けあふよ

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瓜野櫂

リラの花未だ見ざりし我ならばそのむらさきの死後のようなる

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瓜野櫂

不如帰またの名を魂迎鳥辞書にて知りぬ死者の歌あれば

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