羹鱠

羹鱠

さくありて いざよい歌ふ 虫の音も うつるこよみぞ 心に染めむ

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羹鱠

またひとつ おひ叶ひたし 夢の路を 月の雲居に とり添へむかな

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羹鱠

無垢纏ひ 空にうつぶく 月あれば 焦がれる蓮の 花とや見らむ

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羹鱠

鳴き涼む 夜風も虫も なにせんと 漂ひみつる 蓮の月影

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羹鱠

さくあれと 咲きぬ思ひを 君しらず 野にひめまたむ あくとなすまで

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羹鱠

宵涼み 床に入る間も ただ案ず 枯れて寂しき わが思ひかな

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羹鱠

朝日さへ 避けむと籠る 心にも 身にも光明 あるも叶はじ

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羹鱠

ふる森に あな色めかし まつ文に ましろの手毬 君にあるかな

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羹鱠

君ありて 花散りぬるを 今と知り 咲くも短し 泣く暇もなし

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羹鱠

あけぼのに 東風と流るる 梅の香に 思ふ暦と 春の足音

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