羹鱠

羹鱠

北の地と いつる海との 故郷に 思ひを致さむ 冬の異国

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羹鱠

ひさかたの 光に思ふ 白雪に 萌えむ命と 春の足音

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羹鱠

頑張れと 自分に言って 休職す 同じ言葉を 誰に言えよう

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羹鱠

夜半の月 古るも常世に 浮かびたり 数多をひくは のみにはあらず

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羹鱠

雲隠れ 祈りて待つも 心憂し 無くて叶はじ 文の清月

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羹鱠

「寒いね?」と 君がつぶやく 白い息 湯気立つ椀に 鶏の羹

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羹鱠

ほたる火が 迎えて覚める 初日の出 大器に込める 大志の誓い

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羹鱠

明けの春 雑煮の香る 団欒や 蓋取る椀に 澄みたるこころ

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羹鱠

思ひ取る 百世ふるとも 忘れじと 八重に成りける 黄金の稲穂

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羹鱠

うちつけに 移りし現世 思ふかな 大志を誓う 四度の菖蒲

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