袴田朱夏

袴田朱夏

はるかぜに洗濯物と我と子とすべて乾けりよく眠りおり

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袴田朱夏

候補者が「京都のために」と言うそばを訪問客の顔で帰りぬ

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袴田朱夏

どちらかというと嫌われてたらしいそんな送別会でした 塩

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袴田朱夏

デッサンが部室に散って青春は鉛筆2ダース分の先輩

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袴田朱夏

葉桜のほうが好きだという母の手はこんなにも小さかったか

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袴田朱夏

花の名に詳しい母と鳥の名に詳しい父の子である我は

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袴田朱夏

誰かのために散ったんじゃない花びらをすくって風があそんでいます

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袴田朱夏

陽光はすこしやさしい この春はチョークの粉の舞わぬ教室

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袴田朱夏

軽やかに『サークルゲーム』口ずさみ母がしばしば煮るいちごジャム

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袴田朱夏

仲直りぶんも乗せれば愛として春のキッシュにチーズのひかり

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