袴田朱夏 袴田朱夏
袴田朱夏
袴田朱夏 あなたとの海がシーツに戻りゆく春はいつまで眠るのだろう
袴田朱夏 花びらを忘れたと言いおさな児が十秒止めた春の嵐電
袴田朱夏 クリオネのそこが頭じゃないようにあなたの前で少食になる
袴田朱夏 助手席のきみの寝息のふわふわを預かっている法定速度
袴田朱夏 好きですに今日の夕陽を賭けました、五時の給水塔で待ちます
袴田朱夏 クレマチス黙っておいてふいに手を取られて跳ねた心拍のこと
袴田朱夏 雲泥の泥のほうですふわふわといなくなったりしません 好きです
袴田朱夏 ほおづえの平衡点でゆらゆらとうたた寝になる春の力学
袴田朱夏 