音羽凜

音羽凜

本年も多分にもれず雨が降りオクラの星を素麺にまく

0
音羽凜

快速を各駅停車へ乗り換えるまだあたたかいバナナブレッド

0
音羽凜

ポストから昨夜別れた恋人の親指に似た何かがのぞく

0
音羽凜

このよさがわからないって言えなくて鬼滅の刃を並んで見る夜

0
音羽凜

渓流に足を浸して少年のような笑顔でわれを呼ぶ君

0
音羽凜

実家より狭く小さい風呂だけどすでに恋しい帰省三日目

0
音羽凜

いつもなら即完売のカツ丼がまだ棚にある休日出勤

0
音羽凜

通学路ひとつの石に名を付けて蹴って帰った稲そよぐ道

0
音羽凜

透明なアクリル板に囲まれて落ち着くわれは 盆地の生まれ

0
音羽凜

すいか村開村の報を聞きながら帰省かなわず西瓜恋う夏

0