
Hama


羽広げ 涼むシラサギ 目が合って 暑くなるねと 声をかけ行く

水田に ほくの学校映ってる まるで大きな船みたいだね

「そのむかし じいさまばあさま おりました」 豊かな貧しさ 輝く瞳

灯火が ひとつ消されて わが思い 陰りてなおも 歌を詠みつつ

空白を 埋めるつもりはないけれど 初めて描いた 父の似顔絵

避難指示 自分に出して いいんだよ 命守って あなたが大事

「わが目には あなたは高価で 尊い」と 強く優しく ささやきにけり

画面越し 触れ合うこともままならず 君とくちづけ 熱く冷たく
