ひとり暮らし始めた頃の不自由は塗りつぶされてまだ白き壁
題『自由詠』 にて
ひとごとと自分ごととの線引きをしてゆくやうなひそひそ話
題『線』 にて
いいところだけ暴きたる探偵になりてあなたを救つてゐたい
題『探』 にて
購買に焼きそばパンがあることを知らないはうの青春だつた
題『パン』 にて
喧騒が険しい山の標高図みたいでけふは頭が痛い
題『高』 にて
乗り換への山手線を見送つて次が来るまでわれは旅人
題『旅』 にて
壁の絵と対話してみる湧きあがるこゑに名付けをしてゆくまへに
題『名』 にて
ペットボトルロケットくらゐのいきほひで記憶の森を薙ぎ払ひたい
題『ペットボトル』 にて
さざ波に抱かれゆけば福耳のかたちに育つ真牡蠣の旨し
題『耳』 にて
いつぺんに言つてこないで残業のわれに押し来る阿波踊りの列
題『踊』 にて
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