またきみが燕尾服を着てる夢を見たけどいつも居酒屋バイト
クリボーを踏みたくなくて泣きながら帰ったあいつ総理大臣
度の強い眼鏡かければ世界から私だけ浮いて遠くにキラン
「甘い」って新玉ねぎをかじるほど汗も涙も辛いのがきみ
話してね、きみの大事なひとのこと、音が止まったオルゴールのこと
始業前のひとりぼっちの理科室で人体模型に指を重ねる
深爪の親指をまた切って切って深深爪（ふかふかづめ）でかくす有明
足わるく車輪転がす老翁に曳かれて走る犬になりたい
五分おきに朝を知らせるアラームが代わりに働いてくれたら
コンポタを飲み干す君が見たいから夜がおおきい国にうまれた
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