お題 題『人称代名詞を使わずに』 お題 2023.10.29 人称代名詞の「君」「あなた」「私」「僕」などを使わずに短歌を詠んでください ・投稿期間はお題発表から5日間!・短歌は投稿後15分間は編集が可能ですが、十分に確認の上、ご投稿ください。・トップページの注意事項をご確認のうえ、お楽しみください。
寄せ鍋の作る蒸気が賃貸の冷たい部屋を温めていく
三段のチェストの中に閉じ込めた冬が出て来た今朝ひとつ目の
青空が驚かないよう少しずつだいだい色を注ぐ黄昏
軽やかな歩みを魅せて横切ったハクセキレイの白黒模様
濃淡の紅のコスモス咲く道は朝はおはよう夕はお帰り
辿り着きし無人のヒュッテに生き残る野ねずみの気配を知りて安らぐ
陽だまりで舟漕ぐ祖母の編みかけの糸で結ばれし祖父との約束
歩く道ひと筋変えたら出会えたよ この花この樹そしてこの空
刺さるんだぽつんと見てる冬花火澄んだ空気がやたらかなしい
感情の余分を溶かす頭痛薬飲み込むためのミルクは甘い
深き谷闇夜を射抜く鹿の音は
埋もれし星を空へ導き
東雲の空に誓いし約束を何時いつまでも忘れはしない
ネタ尽きて外に刺激を求めるも 行く先もなく途方に暮れて
立ち枯れの哀れ畑と思いしや 初めて知ったそれが大豆と
見て見てと大きい虹を指さして知っているよと笑顔返され
夕焼けの磯に遊んで恋ひとつあしあと途切れひとつの影に
街並みを名残りの赤が染めていく たそかれ時に風も移ろう
東風吹けば夕日を追って行けるのに 雲は黄金に染まっていたい
一粒の雨より小さな悲しみは風に流れて静かに消えた
アドバイス受けた時にはきっともう別れ切り出すつもりでいたね
湯豆腐の昆布まで喰らう手酌酒老いも季節もすでに深まり
欲望という名の風が渦を巻くカラダの中を嵐のように
風の中運動会を思い出す木の葉競ってゴールの冬へ
粉雪のレンガの街はクリスマス スノードームの異国を歩く
昼下がり恋をもくろむ散策の古き都の庵のノート
本当は伝えたいことあるんだよ。コートのしつけ糸は切ってね
15時が既に黄昏連れてきて季節の流れ職場で感ず
昼過ぎにちょっとそこまで秋桜を 自然の絵画を見る贅沢
目が覚めて夢を抜け出て現実を復元してる数秒の虚無
恋遊戯十九を祝う冬薔薇思い出日記の栞ひとひら
えんとつの煙は北から南へと 風向きを知る 季節を連れて
言の葉よ 皆が立ってる地球さえ 紡げぬものを何故与えたの
オフィスにて 恋の噂の立つ水面 投げた小石の波で打ち消す
優しさで人は救えず月に吠え唇を嚙み血涙流す
長き夜に今日のことなど反省し明日を楽しむ恋のあやとり
引き出しに終わったはずの鎮魂の恋を弔う線香花火
こんな色油絵だって描けないの 青黄だいだい進む秋空
転勤はあなたがついた嘘だった 気持ちがないと示す代わりの
秋からのプレゼントよね?虫の音は まだ届かない忘れたのかな?
裏切れぬ家族の秘密かなしみは別れのたびに初雪となり
恋ひと夜破れて今日は夢ひと夜長かった春に秋の終止符
落ち葉舞う枯葉歌えば季仕舞いの立山雷鳥白の忍法
橋の下詩吟を詠ずる影ひとつ流れをなだめ声を泳がす
目指すのは掴み所がない短歌 読みたい人が読みたいように
悲しいと言えてるうちは未だましと冷たいけれど其れもそうだね
恥忍びChatGPTに問う 恐れ多くて敬語で書いて
知らぬ間にラギュラーだった「うたたね」の。夜中に気づき眠気もさめる
色づけば刹那楽しめ艶紅葉恋は夢夜の花いちもんめ
友の会満期になって買うものはプレゼントかな?得した気分
四畳半せんべい布団にふたまくらぬくもり交わして秋をあたため