お題 自薦一首 お題『今月の自薦一首』 お題 2023.10.30 一首に絞れない方は、最大三首まで! ・投稿期間はお題発表から7日間!・今月の自薦一首をお待ちしております。・既発表作は権利がご自身にあることをご確認ください。
三人でまずは山葵を擦りおろすみな告白を持ち寄りながら
澄みきった青き空にはいわし雲更なる果てに白き半月
雨になる数秒前に渡される匂いが好きだ ここは東京
白鳥とツバメは季節を引き連れて地球で遊ぶ花いちもんめ
あの日からお腹の上に横たわる薄桃色のみみずをなぞる
土曜日と日曜日との境目の 夜の時間の穏やかなこと
迷わずに自分の気持ち伝えればピリオドひとつ付けられたのに……
国枝のように退きたい なにひとつナンバーワンでない私も
土間のある同じ母屋に馬がいた 親父は頑固でおっかなかった
晴れた日にオレンジの蝶ひらひらと枯れ葉舞うよに風のゆくみち
劫の時刹那の時も心奥に 愛と憎しみ果てなき欲望
憂う秋古い傷跡痛みだす少しのあいだ時間が止まる
湯豆腐の昆布も喰らう手酌酒老いも季節もすでに深まり
戦いに疲れて籠もる眠り前優しい詩でいやされたいよ。