お題 題『靴』 お題 2023.11.30 ・投稿期間はお題発表から5日間!・短歌は投稿後15分間は編集が可能ですが、十分に確認の上、ご投稿ください。・トップページの注意事項をご確認のうえ、お楽しみください。
かたっぽになってしまった靴下が君の帰りをずっと待ってる
人生で君が初めて履いた靴いまも大事にとってあるんだ
赤い靴はいて踊れば生き生きと幾つになっても乙女の心
遊歩道先行く人の薄情な影をヒールで踏みつけてみる
おもいきり靴を飛ばしたのはいつか 白い靴翔びそらは青くて
靴に聞くおまえはどこに行きたいの?やっぱり会いに行きたいんだね
「初心者」という靴履いてここで詠む被らぬ道を探しもがいて
一回も読んだこと無い長靴の猫の姿が描ける不思議
爪先と踵で景色違うからたまには前を見たいの私
どこまでも歩いていけるこの靴と別れのときが近づいている
下駄箱の中で靴たちお喋りす「明日(あす)休みたい」「僕も」「私も」
いくつまでサンタのことを信じてた愛でふくれた靴下ひとつ
(俺なんて濡れてばっかり味気ない)そう思ってる?長靴くんは
お互いに履いてくる靴分かってて靴どうしも「また会ったね」と
長靴のお菓子をぜんぶ食べきって足を何度か入れてみる子ら
靴下がこたつの中で隠れおり猫も来ぬのに先に居座る
アルバムに裸足の俺が靴を手に何があったのか三歳とある
疲れたと君が言うなら休もうか 身を削りつつ私を包む
履きなれた靴で散歩の三十分終えて靴底減ったと気付く
嗚呼なんて懐かしき響き「上履き」よ遠くの過去に確かにあった
あきらめる 三席イビキ占領し
屈める革靴 揺れる前髪
合う靴がなかなかなくて探してる王子のごとく貴方はどこに
少し背伸びして買ったハイヒールの靴大人の気分がした
青春の恋の出会いが靴箱なんて切手を貼らない郵便ポスト
空《から》の部屋 「海の見える街」かかとを三回鳴らし一歩踏み出す
できるだけ速く走れる靴を履けいつでも幸せを追えるよう
同情の前に貴方の靴を履く 体温感じて脱げなくなった
待ってるね君に履かれることだけを「ガラスの靴」は陽に煌めいて
いつからか靴に棲みつく虫がいる足から移住の愛想のいい奴
あの頃のブームはとても熱かった90’s(90年代の)スニーカー
いい靴は 人をいい場所 連れていく よくファッション誌が 使うフレーズ
鍋に火を君の歩幅の靴音聴き沸いた止まった鍵の開く音
「人生は歩いてこない」 進みゆく泥跳ね上げてもアスファルトでも
「きみちゃん」は野口雨情に描かれて「赤い靴」履き永遠となる
朝ごとに「君に会えた」と思うでしょ? 会社に眠る我がサンダルは
シンデレラみたいに靴を忘れても「ギャグ漫画?」って言われて終わった
朝の街片方だけが寝転がる酷使の時をしばし解放
靴が鳴るいえ泣くんです足の豆でも居たんです藁草履の子
あの時代靴に合わせる足を持ち馬糞選んで一番目指し