2024-09-02

題『家』

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題『経』

おそなえのハッピーターン食べたくて祖母と唱えた般若心経

13

題『言』

痛いともなんとも言わない奴だから気にかけてみる肝臓のこと

13

題『言』

君だけに半分にしたクッキーの大きい方がほしいと言える

13

題『名』

逝く夏を名残惜しげに哭く蝉の声を消してく夕立の音

12

題『逆』

いつもとは逆の方へと動き出す電車に心躍る休日

12

題『久』

誰もみな人より長けたものを持つ永久欠番背中につけて

12

題『夜』

寝つけないそんな夜には紙の本できれば長い文章だけの

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題『空』

どこにいくわけでもなくて空港のラウンジにいて心だけ飛ぶ

11

題『先』

後先を争いながら駆けてゆく子らの行く手の澄んだ秋空

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題『公園（テーマ詠）』

色褪せたタコの山にもたれてゐる三十路の夜の公園デビュー