・短歌は投稿後15分間は編集が可能ですが、十分に確認の上、ご投稿ください
納豆巻き好きですかと聞かれた日 試されたやうで肯づいた恋
何にする なんでもいいと 返されて 買い物カート 所在なく押す
氷水ガラスの器紫蘇と葱 つゆに素麺するする食す
学期末ボクの残した食パンが 机の奥で発見される
テーブルにいつも並んで食事した隣の椅子に君はもうなく
年重ね 食い気飲む気の薄くなり たまにはドンと焼き肉ビール
ひとりだし六枚切りは食べ切れず冷凍室へ二枚をしまう
猛暑にてアイスを三個食べました清涼感と罪悪感と
端切れにて嫁も喜ぶシュシュを縫う 良いことした気で喰むわらび餅
今はまう黄泉竈食【よもつへぐひ】の常連で鬼と語らふ君のゴシップ
伊丹歌壇「幽霊」尾崎まゆみさん選 (復刊第35号)優秀賞をいただきました。 少し前ですが、ありがとうございます。
ストレスで間食をして身にまとう望まない肉減らない重荷
聖火リレーのようにあなたと始めたいジャイアントコーン食べる夕暮れ
肉を食う君のくちびるぬるぬると脂に濡れて輝いている
月食を仰ぎ見やれば向こうでは月の兎が日食見てる
食べるとか唯一感を持つために友人だとかそういうの使う
食べること 大好きだった あなたのこと 日々思い出す 吾子が似てるから
食い終わり何の肉かが分からずに問えば駆除した鹿だと言えり
人を食う獣が棲むという山の真紅の夕日に響く銃声
いつもより頑張った週はご褒美にいつもは買わない食パン求むる
食洗機お掃除ロボお助け家事世の中は便利になっていく
あなたとの 最後の食事 何だった 思い出したい 思い出せない
おせんべい スナック菓子に シャーベット 間食楽しみ 笑顔あふれる
真夜中のコンビニに立つ一人かな 食を求める空腹の虫
風呂上がり 天井見上げ 寝転べば 氷菓を匙に 食べる?と微笑む
夜勤明け駅構内の蕎麦を食い胃薬飲んで眠りつく午後
ひたすらに真白き蚕桑を食む身じろぎもせず夏の少年
食べ頃の 香りがすると 仏壇に いただきますと 桃を手にとり
ラムネ食む少年 向かいの席から 甘い香りの漂う車内
夕食の後は あなたの手を取りて 路傍の花と語りあう風
カツ丼とラーメンぺろりと平らげる高三はまだ食べ盛りなり
微風と ラーメン食べて 遊歩道 月の明かりと 口遊む歌
食うことに感動うすきこの頃はこれも老化か反省せねば
獲れたての野菜を抱え向かうのはフードバンクと子ども食堂
食べられる有り難い事に感謝して「いただきます」に心を込める
生き物のいのちを繋ぐ食べ物を育ててくれる大地に感謝
食欲の有無は日により異なりぬ 十年暮らせど解(げ)せぬ愛猫
納豆巻き好きですかと聞かれた日
試されたやうで肯づいた恋
何にする
なんでもいいと
返されて
買い物カート
所在なく押す
氷水ガラスの器紫蘇と葱
つゆに素麺するする食す
学期末ボクの残した食パンが
机の奥で発見される
テーブルにいつも並んで食事した隣の椅子に君はもうなく
年重ね 食い気飲む気の薄くなり
たまにはドンと焼き肉ビール
ひとりだし六枚切りは食べ切れず冷凍室へ二枚をしまう
猛暑にてアイスを三個食べました清涼感と罪悪感と
端切れにて嫁も喜ぶシュシュを縫う
良いことした気で喰むわらび餅
今はまう黄泉竈食【よもつへぐひ】の常連で鬼と語らふ君のゴシップ
伊丹歌壇「幽霊」尾崎まゆみさん選
(復刊第35号)優秀賞をいただきました。
少し前ですが、ありがとうございます。
ストレスで間食をして身にまとう望まない肉減らない重荷
聖火リレーのようにあなたと始めたいジャイアントコーン食べる夕暮れ
肉を食う君のくちびるぬるぬると脂に濡れて輝いている
月食を仰ぎ見やれば向こうでは月の兎が日食見てる
食べるとか唯一感を持つために友人だとかそういうの使う
食べること 大好きだった あなたのこと
日々思い出す 吾子が似てるから
食い終わり何の肉かが分からずに問えば駆除した鹿だと言えり
人を食う獣が棲むという山の真紅の夕日に響く銃声
いつもより頑張った週はご褒美にいつもは買わない食パン求むる
食洗機お掃除ロボお助け家事世の中は便利になっていく
あなたとの 最後の食事 何だった
思い出したい 思い出せない
おせんべい スナック菓子に シャーベット
間食楽しみ 笑顔あふれる
真夜中のコンビニに立つ一人かな 食を求める空腹の虫
風呂上がり 天井見上げ 寝転べば
氷菓を匙に 食べる?と微笑む
夜勤明け駅構内の蕎麦を食い胃薬飲んで眠りつく午後
ひたすらに真白き蚕桑を食む身じろぎもせず夏の少年
食べ頃の 香りがすると 仏壇に
いただきますと 桃を手にとり
ラムネ食む少年 向かいの席から
甘い香りの漂う車内
夕食の後は あなたの手を取りて 路傍の花と語りあう風
カツ丼とラーメンぺろりと平らげる高三はまだ食べ盛りなり
微風と ラーメン食べて 遊歩道 月の明かりと 口遊む歌
食うことに感動うすきこの頃はこれも老化か反省せねば
獲れたての野菜を抱え向かうのはフードバンクと子ども食堂
食べられる有り難い事に感謝して「いただきます」に心を込める
生き物のいのちを繋ぐ食べ物を育ててくれる大地に感謝
食欲の有無は日により異なりぬ 十年暮らせど解(げ)せぬ愛猫