年老いた夫婦の肩に桜散り 見ること願う来年もまた
題『夫婦』 にて
あの星は 千年前に 死んだ星 指さす横顔 哀愁の風
題『死』 にて
日本に 春夏秋冬 移ろいて あるかなきかの 世にこそ歌あり
題『自由詠』 にて
地下鉄のエスカレーター無視をして階段のぼり我が道を行く
題『地』 にて
あの人が部屋に残したスイカズラ甘い香りと記憶と影と
題『甘いものを読み込んで』 にて
『ありがとう』大事な時に言えなくて 日毎夜毎に落ち込む私
題『ありがとう』 にて
居酒屋の椅子に座ってとりあえずビールを頼む仕事終わりに
題『椅子』 にて
手のひらで 淡雪とけて あの人に 紡いだ言の葉 風にほどけて
題『雪』 にて
朝靄の冷たい空気と君の手と 見上げる空に明けの明星
題『寒・冷』 にて
喧騒が 閑静に変わり あの人の 哀しむ瞳に 祭りの残り火
題『祭』 にて
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