陽は西へ 晩夏の熱(ほて)り 持ち去りて 涼風を運んで来る月夜
題『来』 にて
ほぼ暦に倣(なら)い 夏は終わりゆく 朝顔と蝉 猛暑を残し
題『終』 にて
雨風に 陽にさらされ 色褪せつつ 門を離れぬ 昨夏の空蝉(うつぜみ)
題『庭(テーマ詠)』 にて
雨雲の迫りし朝の出勤日 予報を信じ雨靴を履く
題『靴』 にて
ドアの脇 並ぶ二台の乳母車 赤児と赤児の 見つめ合う車内
題『ニ』 にて
使い慣れぬ言葉に不安を覚え ダイヤル押す前に深呼吸
題『緊張(テーマ詠)』 にて
砂埃 落とすかの如 雨雲は 街に多量のシャワー浴びせり
題『落』 にて
逢いたいと それだけが言い出せぬまま 何気ない通話で終わる夜半
題『通』 にて
心地よき晩夏の夜風 見ゆる星 明日は晴れると 空の約束
題『明』 にて
「また」は無い たった一度きりの今日を 噛みしめて行き 明日(あす)へと繋ぐ
題『また』 にて
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