セールまで 売り場に残る春コート 夏めく風に 靴音とおく
題『まで』 にて
閉じかけた とびらの隙に滑り込む 途切れた「好き」が鼓動へ溶ける
題『とびら』 にて
星座みて 夜の空ゆく渡り鳥 またたく銀河は家路を照らす
題『鳥』 にて
ワイン飲み アルバムめくる春の宵 ひとり語りに ほろ酔いの風
題『語』 にて
足元に落とした夢を抱き上げて 顔をあげれば 青空ひらく
題『足』 にて
弁当を作らぬ朝の戸惑いに ふと気がつけば 母の卒業日
題『卒業(テーマ詠)』 にて
転居して 馴染めぬ風のさみしさに 明日へ根づけと ポトス買い足す
題『転』 にて
乗らないで手を振る母の面影が 回る木馬の風に重なる
題『遊園地(テーマ詠)』 にて
前髪を直すふりして泣き顔を 隠すわたしに 卒業の風
題『顔』 にて
色褪せた 寄せ書きの隅 君の文字 今も静かに こころ灯(とも)すよ
題『書』 にて
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