焼肉と知れば跳ね出す子の声に つい頬ゆるむ 夕餉の支度
題『肉』 にて
黒電話 好きと告げたく回す指 着信ひとつ 残せぬままに
題『昭和(テーマ詠)』 にて
昭和歌(うた) ふと口ずさむ赤ちょうちん グラスの底に 青春揺れる
題『昭和(テーマ詠)』 にて
偶然の再会なんてドラマだけ 改札の前 ふと振り返る
題『再』 にて
再会の華やぐときの二時間を 過ぎて帰れば 今の暮らしへ
題『再』 にて
姉からの荷物と気づく春風に ハンコ押す手も 軽やかになる
題『押』 にて
夜の風 ガラス戸トントン鳴らす音 「だれか来たよ」と子が嬉しげに
題『風』 にて
白い壁 冷たさ刺さる深夜には 紅茶の湯気と ラジオに憩う
題『壁』 にて
番号もメールも変えずいることが あなたの 迎えを待つということ
題『メール』 にて
六時前 母のメールに薄目開け 「元気」と返し ふたたび眠る
題『メール』 にて
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