北大路真彦

今日もまた閉ぢられて在る硝子窓見上げ過ぎれば風は冷たし

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てる

雲のない遥かな空の上澄みを光矯めつつ遁げてゆく翳

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恋野つづる

記名のない上履きを履く足りなさで部屋を出てゆく朝が来たから

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吉村おもち

年上の同期と交わす軽口も日常になり秋は深まる

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吉村おもち

後輩に押し付けられた残業で最上級の夜景を作る

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梅鶏

隆起する上腕が風を切り裂いて三輪レーサー海沿いを行く

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詩季

これ以上触れてはだめと光彩は優しく諭す五月のシャボン

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ふぬーん

コンビニへ出掛ける夜の雨上がり 橙色の水滲む

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uvm

すじ雲を見上げて吸った吐くために時刻通りのバスは見送る

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今紺しだ

声ならば半オクターブ上がるだろう びっくりマーク半角で打つ

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