羹鱠

晩秋に 萌えよと息吹 花ノ木に 待つも久しき 瑠璃の春空

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羹鱠

秋風に 流るる処暑や 涼しかる つきぬ思ひぞ おどろかれぬる

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羹鱠

寒空の 風うつ雲の きよければ 妹抱きたり 朝のお布団

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羹鱠

空も葉も 色かはれども 金色の 花ノ衣に 時なかりたり

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羹鱠

ひさかたの そら差し仰ぐ 小春日に 辻にかをらる 椿のそより

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羹鱠

夕暮れに 思ひけるかな 明けぬれば つとめて響く 冬の足音

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袴田朱夏

青春の後を詠もうと筆名を灯せば次に白秋が待つ

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塩本抄

胡麻和えをつくる手つきでさみしさを混ぜ返している秋のキッチン

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森山緋紗

はつ秋に狂つた藤よ、えらさうなをとこをみんな泣かせてみたい

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武田ひか

全世界の夕暮れの槍につらぬかれ誰もみぬまま柿熟れてゆく

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