 秋鵠空(さとあき)
            秋鵠空(さとあき)    一
 秋鵠空(さとあき)
            秋鵠空(さとあき)     秋鵠空(さとあき)
            秋鵠空(さとあき)    雲送る岳(タケ)包み雨 問ひのみの一目編みつつ気怠く重く
 クルクルバニー
            クルクルバニー    熱くなれ 命の限り 燃える程 一生懸命 したいからする
 袴田朱夏
            袴田朱夏    やわらかな漸近線が一秒ののちに雀となりたる地面
 アゲハ
            アゲハ    目を閉じて耳をすませばサイレンのきょうも一件の腹上死あり
 アゲハ
            アゲハ    目を閉じて耳をすませばサイレンがきょうも一件の腹上死あり
 尾崎飛鳥
            尾崎飛鳥    キスマーク一日経てば消えてゆく記憶もきっとその程度のもの
 尾崎飛鳥
            尾崎飛鳥    TODOリストの一番上に永遠に鎮座している「歯医者へ行く」
 紺野水辺
            紺野水辺    空を見ることができない日のために花の名前を一つ教える
 クルクルバニー
            クルクルバニー    