傘

黙々と田畑耕す我が兄は癌に打ち勝ち傘寿を迎え

ふわふわと恋はいつでも夢ンなか傘になりたいテレ照れ坊主

今日もまた雨月となりて十六夜の黒髪梳いて恋の傘立て

靴紐をしかと結びて傘させど心締まらぬ雨の買い物

夕立だ傘の向こうの夏空に広がる世界しばしうっとり

日傘して盛りの中を喪の姿せめて俺は晩秋に逝こう

穴空きの日傘我が身に重なりて捨てきれぬ夏超えてみようか

さくら大根

先輩の株の話しに花が咲く傘寿の候にお金何処行く

ビニール傘無惨に捨てられており傘にも寿命があるものを

覗きみる穴空き日傘まじまじともうひとふんばり夏の空かな

さくら大根

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