悠太郎 夏
悠太郎
恋野つづる 「夏」の字を抱えて生きた貴方が言う 「冬のおでんがいちばん美味い」
北大路真彦 磨硝子隔て冷たき幽霊を夏の真昼の光に透かす
口無しななし デート服 春夏秋と機会なし一点買いで冬服を買う
吉村おもち さっきまで本名だった四文字を旧姓にする初夏の市役所
今紺しだ すりきずが増えればいいさ補助輪を捨てて迎える初めての夏
今紺しだ 蝉なけば夏は、告げれば感情は、開ければペットボトルは、終わり
キナコモチコ リバウンド摑もうとして手を伸ばす先はボールじゃなくておひさま
煮沸すすぐ 軽トラの荷台に乗った記憶から犬が消えたし夏は終わりぬ
Mary. 