千代田 環

またねって言いたくなるのが友だって君が教えてくれた三月

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あまがっぱ

スマホ越しめんこいねって言う人の冬の深きを思う如月

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北大路真彦

朝ひとり饂飩を煮込む鍋の湯気神在月の暦に染みぬ

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北大路真彦

手羽先の油の指をおしぼりで何度拭くやら霜月の宵

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光本博

向かいあう乗客の読む新聞の広告に「月刊住職」もあり

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土井みほ

月面の放映権を買い占めたうさぎが平和演説をする

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まつたく

恋ひとつ始まりそうな静けさの十一月のスコアボードは

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詩季

これ以上触れてはだめと光彩は優しく諭す五月のシャボン

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薄荷。

どら焼きはこし餡がいい新月の闇夜の色を煮詰めたような

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梅鶏

八月の通学路には誰からも見つけられない逃げ水がある

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