秋吉諄

どの花も色とりどりに咲いていて花になれないわたしは無色

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夢月蛍

笑顔って優しいうそも吐くんだね哀しみ色のドームの真下

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夢月蛍

冬空の澄んだ青色ひかる影あたしの足が土に固まる

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夢月蛍

猫ってネああ見えてさあ優しいの猫には猫の音色があるの

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花楓

貸し借りの本の栞が色付いてめぐる季節をラミネートする

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梅鶏

たてよこに混ぜて小鍋のキャラメルがやさしく隠す銀色の底

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もえ

 「酔芙蓉 ひかり射して 色づきし きみの言の葉 待ちてこぼれん」

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もえ

卒業の文字に滲んだ春色のひとひら散りてきみの背を追う」

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千吉

鉛色空を襲いて雪の群れ真白い首都が降参している

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河岸景都

この国の冬は白いと決められて色を持たない私の安堵

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