訪

ぶらぶらと秋まだ浅き古都訪ね終わった恋連れ歩く嵯峨野路

夏空が遠のいていき訪れた秋の空気を抱きしめたくて

昨晩の洗い物するキッチンの蛇口の水に秋の訪れ

俳優の亡くなりし父消息が知れて訪ねし異国の叔母を

訪日のロシアの少女語りしか情報飛びかい判断出来ず

ミッドウェー遺族訪ねし敵さえも人生辿る老婆輝く

舌癌を克服したる兄訪えば育てし稲穂は風に揺れおり

仏壇の煙も消えて見ぬテレビ訪う人途絶え闇に揺らめく

冷徹に見えし先輩遠くから訪ねてくれる暖かさかな

国防服の父訪ねきて離れ住むこらの頭を撫で帰りゆきたり父

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