ひーろ

透明なくらげをひとつ入れてからわたしの海は余計さみしい

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丘光生

水は目に入ると痛いこんなにも嵐のように透明なのに

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北大路真彦

磨硝子隔て冷たき幽霊を夏の真昼の光に透かす

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北大路真彦

天窓のぼんやり白き日光に透かす手紙は葡萄の匂ひ

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たろりずむ

透明になる薬より苦からむ元の姿に戻る薬は

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今紺しだ

ランドセルの彼が置き傘一本で倒してくれた透明な敵

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入瀬

触れずともわかりたかった 真夜中に浸った花瓶は透明ですか

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深山睦美

念願の透けるメガネを手に入れて患者の癌を発見する医者

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音羽凜

透明なアクリル板に囲まれて落ち着くわれは 盆地の生まれ

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