恋子

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風は秋陽射しは夏の歌詠みは花鳥風月こねくり回し

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恋子

お元気ですか花オクラの絵添えました恋と画くのが気恥ずかしくて

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恋子

告げ口か恋の終わりを秋の風気づけばよかった夏のあいだに

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恋子

またひとつ夏が抜けたか香り立つ朝の珈琲団扇を忘れ

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恋子

夕凪についと団扇の風くれて恋女房の五十年かな

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恋子

いささかに弱さをみせて秋ひでり夜長楽しむ書架の背表紙

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恋子

老いの趣味恋道楽を憚らず口説くお花は六十娘

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恋子

のんびりとずいずいずっころばしごまみそずいのどかな昭和すたれる昭和

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恋子

運針の練習させるかあちゃんは雑巾先生夏の終わり

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恋子

靴下の破れかがりに夜鍋するかあちゃんの手に電球があった

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