恋子

恋子

ありていに言えば憚る浮世事大人だろうと言葉を遊ぶ

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恋子

惣菜を並べて母は制服の家庭の臭いを叩き落として

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恋子

夕間暮れまだかと子らの腹の虫湯気立つ鍋に背伸びする鼻

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恋子

横丁に情緒求めて秋灯火玉ねぎ干したり秋風鈴

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恋子

歌うとやことばの瓦礫積み上げて恋をもくろむおらが青春

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恋子

蘭の鉢出窓の秋や猫眠る香り纏いて香箱座り

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恋子

夜顔のけわいほどこし待つ閨の月の明かりの悩ましき艶

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恋子

可愛さも度重なれば餓鬼の目と世渡りできぬ老いた天邪鬼

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恋子

貧しくも恋は豊かに青春のかくれ隠れて案山子に見られ

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恋子

日の丸は昭和のキャラ弁アルマイト袖で隠して茶を飲む蓋

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