満月しじま 満月しじま
満月しじま
満月しじま ひとひらとまたひとひらと地に落ちてうすくれなゐの海になりゆく
満月しじま 今までに櫻はなにを見てきたか どれほどの生どれほどの死を
満月しじま 幾度も数多の生を産んできた櫻よなにを思っているの
満月しじま 櫻木は偉大なる母その身体ひとつで億の命を咲かす
満月しじま 飛び方を知らないんじゃなくて君は飛ぶのが怖いだけなんでしょう?
満月しじま このカップ我の番になる人に使ってほしい たとえば君に
満月しじま 二次元の海に溺れて喘ぐ我 平穏という言葉を知らず
満月しじま 一輪の花をガラスに閉じこめて私の書架のまなかに飾る
満月しじま 